コウモリというと、人間の生活環境とはほど遠い生き物くらいに思っている方が多いのではないでしょうか。
ところが、人が住んでいる家の屋根裏や軒下の小さな隙間を住処としているコウモリがいるのです。アブラコウモリと呼ばれる種類のコウモリです。余談ですが、身近な物事に気が付かないことを「灯台もと暗し」といいますが、まさにその言葉そのものです。
ここではそんなアブラコウモリについてご紹介いたします。
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家に棲みつくコウモリとは?
家を住処とするアブラコウモリ
コウモリといえば、ドラキュラの映画にはよく登場してくる不気味な生き物です。そのため、人の血を吸うのでは?といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。ところが、実際には人の血を吸うコウモリというのは日本にはいません。海外に生息するほんの一部のコウモリだけです。
そして、日本に生息するコウモリの種類は全部で30種類を超えるといいます。それらのコウモリは、山や岩場の洞窟をねぐらとしています。そんな中アブラコウモリと呼ばれる種類のコウモリだけは、人が住む家の屋根瓦の裏や天井裏・換気口などを好んでねぐらにしています。
人には危害を加えず昆虫を餌としているアブラコウモリ
人の家を住処とするアブラコウモリの主食は主に昆虫などの小さな生き物です。そのため、決して人を襲ったり危害を加えるようなことはありません。大きさは5センチ前後なので、例え飛んでいてもスズメのような小鳥だと思っている人も多いのではないでしょうか。
コウモリは夜行性の生き物なので、薄暗くなると何匹ものアブラコウモリが住宅街の空を飛びまわります。普通スズメなどの小鳥は昼間飛び回ることはあっても、人間と同様に暗いと目が見えないので夜空を飛び回ることはありません。
そのため、暗くなってから飛び回る小さな生き物がいれば、アブラコウモリの可能性が高いといえます。
フンを撒き散らすやっかいなヤツ!
ネズミのフンに似ているコウモリのフン
アブラコウモリは、人に危害を加えることはありませんがフン被害が多いといいます。要するに、わずか5㎝程の小さな体の割には、フンを大量に排泄する生き物なのです。しかもアブラコウモリのフンは、一見ネズミのフンにも似ているので間違える方も多くいます。
ただし、フン被害とはいってもネズミのフンのように、ハンタウイルスやレストスピラ菌・ペスト菌といった恐ろしい病原菌に感染するという心配は要りません。その代りアブラコウモリのフンにはカビ菌が寄生しているので、ハウスダストのようなアレルギー症状を引き起こします。それにフンなので、ドブのような酸っぱい悪臭にも悩まされます。
ネズミのフンとの見分け方
アブラコウモリのフンは、ネズミのフンに似ているので見分けるのは難しいといいます。そのため、フンが落ちている場所で判断するのが何よりです。例えばネズミは、家具の隙間や家具の裏などにフンをします。一方、軒先や屋根の下に大量のフンがあれば、それはアブラコウモリのフンに間違いありません。
また、フンの硬さでも見分けることができます。例えばアブラコウモリは、昆虫などの小さな生き物が主食なのでもろく崩れやすいという特徴があります。一方ネズミは雑食性なので、ネズミのフンには水分が含まれており崩れにくいのです。
参考:コウモリとネズミの糞の違い – 公益社団法人 東京都ペストコントロール協会
コウモリの対策・駆除方法
市販のスプレータイプの忌避剤を使う
コウモリの忌避剤には、使いやすくて即効性のあるスプレータイプの忌避剤がおすすめです。とりわけコウモリはハッカの匂いが苦手だといいます。そのため、コウモリ用の忌避剤にはハッカ油が配合されています。
そこで、スプレータイプの忌避剤を屋根裏や換気口などにスプレーすると一目散に逃げていきます。その代り、数時間しか効果が持続しません。そういう意味では、恒久的なコウモリ対策が必要になってきます。
恒久的なコウモリ対策と駆除方法とは?
スプレータイプの忌避剤などでコウモリを追い出したなら、再びコウモリがやってこないように恒久的なコウモリ対策が必要になってきます。とくにアブラコウモリは体長がわずか5センチ程なので、1〜2センチほどの小さな穴であってもすぐに入り込んでしまいます。
そのため、軒先などの隙間や屋根裏に侵入されそうな隙間を埋めてしまうことが大切なのです。またコウモリが軒下や屋根裏に住みたがるのは、コウモリのエサが大量に確保できるからです。そういう意味では防虫対策も必要です。とくに軒先に水の溜まった個所があれば、そこには蚊やボウフラが繁殖しやすくなるので取り除く必要があります。
とはいえ、コウモリは鳥獣保護法で守られており、素人には駆除が難しいです。コウモリ駆除についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事が参考になりますよ。
まとめ
アブラコウモリの生態や被害・駆除方法などについてご紹介いたしました。アブラコウモリによる被害でお悩みの場合にはぜひとも参考になさってみて下さい。