マダニによる感染症で、高齢者が死亡するというニュースがたまにあります。このマダニというと、ややもすると家の中にいるダニと勘違いする人も多いかもしれませんね。ちなみにダニに噛まれると、かゆみがいつまでも続くとはいうものの死に至ることはありません。マダニの場合、主に屋外の山や野原に生息しています。
ここではそんなマダニについて詳しくご紹介してみたいと思います。
Contents
小さくても侮らない!マダニとは
マダニにも様々な種類がいる
マダニは、様々な場所に生息しながら動物に寄生する機会を狙っています。例えば、ペットを連れてキャンプなどをしていると、キャンプ地の叢に潜みながら通りかかったペットに飛び移ります。こうしたマダニは、家に生息しているダニとは違います。しかも野原だけでなく、一般的な公園などにもいます。
そんなマダニにもいろんな種類がいます。例えば、ヤマトマダニ・キチマダニ・フタトゲチマダニ・シュルツェマダニ・クリイロコイタマダニ・ツリガネチマダニなど。ちなみに日本は、地域によって温度差が激しい国です。そのため寒い地域にはヤマトマダニが、沖縄にはクリイロコイタマダニがといったように様々な温度条件に適応したマダニがそれぞれいます。
マダニの栄養源は動物の血液
マダニは、幼虫の時であれば発育や脱皮のために動物の血を吸います。また、成虫は産卵のために吸血します。その吸血方法ですが、鋏角と呼ばれる針状のものから唾液を出しながら、唾液に含まれる酵素で動物の皮膚を溶かしながら切開します。その後、切開した皮膚に口下片と呼ばれるギザギザの突起物を差し込んで血液を吸い出します。
マダニの体長は2ミリから3ミリ程度ですが、動物の血を吸った後の体長は何と1㎝を超えるくらいまでに膨張するといいます。それこそ空気で膨らんだ風船のように、血を吸うことでびっくりするくらいにマダニも膨れ上がるのでしょうね。
マダニがもたらす病気
貧血や発熱・皮膚炎
マダニに吸血された犬は、貧血や発熱・皮膚炎を発症するといいます。また吸血だけでなく唾液の分泌も行うので、病原菌が感染する場合もあります。例えば犬バベシア症という病気は、病原菌が犬の赤血球に寄生して破壊してしまいます。
そんな病原菌に感染した犬は、貧血や発熱・皮膚炎・食欲不振などの症状が出たり手当が遅れると死に至る場合もあります。さらに、マダニによる病原菌は、犬だけでなく猫や人にも感染するといいます。
マダニに噛まれてウイルスが感染する
マダニに噛まれたことによるウイルス感染症は、犬だけでなく人にも感染します。こうしたマダニによるウイルス感染症といえば、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が最も有名です。この感染症は、今のところ西日本で最も多く抵抗力の弱い高齢者が主に感染しています。
例えば畑仕事や農作業をしたり、山菜採りに出かけたりした数日後に発症するといいます。ただし、マダニ全部にウイルスが潜んでいるというわけではありません。わずかな確率でいるというウイルスを保有しているマダニに限定されます。
マダニに刺されないようにするには
アウトドアや農作業の際には要注意
畑や田んぼのあぜ道、民家の裏山や裏庭にはマダニが生息しています。そのため、農作業をする人はマダニに寄生されないように注意する必要があります。あるいは、農作業に限らずアウトドアで登山やキャンプをする人も要注意です。とくにイノシシやシカ・野兎などが出没する山や野原にはマダニがいます。
そのためそうした環境に出かける方は、腕や足・首などの肌が露出しない服装を心がける必要があります。また、シャツはズボンの上に出すというのが今時のファッションですが、マダニ対策をする上ではシャツの裾はズボンの中に入れるべきです。あるいは恰好が悪いですが、ズボンの裾も靴下の中に入れるべきです。首はハイネックシャツで守るようにします。
具体的なマダニ対策
アウトドアや農作業をする際には、服装に心がけるだけでなくマダニ用の忌避剤をスプレーしておくことも大切です。例えば事前にズボンや上着に忌避剤をスプレーしておくと、マダニが衣服に付着するのを予防してくれます。ただし、忌避剤で完全にマダニの付着を防げるかといえばそうではないので過信は禁物です。
また、アウトドアや農作業を終えて帰宅した際には、衣服や作業着を家の中に持ち込まないようにする必要があります。あるいは、シャワーや入浴をしながらマダニが付着していないかどうかをチェックすることも大切です。
まとめ
マダニの生態や被害状況・対策方法などについてご紹介しました。アウトドアが大好きな方や農作業をする方は、今までは運が良かっただけと思い今後はマダニ対策を心がけるべきですね。